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2009

宗教が絡むと難しくなる、世界の揉め事中心地

国/イスラエル【46ヶ国目】  滞在地/エルサレム【128ヶ所目】

■可愛い審査官に笑顔で答える。

イスラエルはご存知の通りアラブ諸国と仲が悪く、パスポートに入国スタンプがあると他のアラブ諸国に入国できなかったり、入国でいろいろ聞かれることになるのでめんどくさい。なので大体の人がパスポートに痕跡を残さないように、入国カードにスタンプを押してもらいます。

意地悪のような質問を何度も聞かれ、少しでも曖昧な点があると別室行きにさせられる・・・などいろんな噂がはびこっているので、シリアに入国した私たちは審査が厳しくて大変かもと心配していました。しかし、思わず笑顔で質問に応じてしまうほど、審査のお姉さんが若くて可愛くて優しくてびっくり。待ち時間は2時間かかりましたが別室行きもなく入国できました。良かった〜。でも荷物検査でバックカバーなくされるし待ち時間が長いし、本当にめんどくさい国!
イスラエル入国はもはやイスラエル名物と思うしかない。

それにしても観光客が多いというのもびっくりしました。欧米人のキリスト教巡礼者も多いみたいですが、どこもかしこも観光客だらけ!この観光客の多さは久しぶりです。びっくりしました。

《アユミ》

■狭い旧市街に3つの宗教

エルサレムの旧市街は城壁で囲まれていて、その中に仲の悪い三つの宗教が暮らしているという変わったところ。メインゲートのダマスカス門から入ると騒々しいイスラムの商店街がずらっと並び、奥に行くほど町や建物がきれいで閑静なユダヤ人地区、アルメニア人地区となっていました。
町の違い町を歩く人らもゴチャゴチャしてました。それぞれの宗教の巡礼地があるせいで、黒装束のムスリムに黒帽子と黒スーツにくるくるモミアゲのユダヤ人、観光客だか巡礼者だか分からないキリスト教徒がごったがえしていました。これだけ密接した環境で3つの宗教が生活してると思うと、ケンカが起きても当たり前です。ここは世界の揉め事の中心です。

僕らはとりあえず、今までに一番関わりのなかったユダヤの聖地[嘆きの壁]に行ってみました。ここは大昔ユダヤの神殿が建ってたらしいのですが、とっくの昔にイスラム教の侵略によって取り壊され今は壁のみ現存していて、ユダヤ教徒が壁に向かってお祈りをしてました。壁に向かって変なカッコでお祈りをしてる様子は異様な感じで、中には泣いてる人もいました。
失礼ですが無宗教の僕らからすると、「あなた妙な宗教にはまりすぎですよ」「そんなモミアゲしてたら就職できませんよ」と思ってしまうくらい奇妙な団体でした。
ユダヤ後で知ったのですがバッチリユダヤファッションの方々は仏教でいう坊さんみたいなもんで、ここにきて祈るのが仕事。国から援助があるらしく大不況でも就職の心配はないそうです。ちょっと羨ましいと思いましたが、やはりあの格好と毎日お祈りはきついなと思いました。

次にキリスト教の巡礼。毎週金曜日に行われるキリストが十字架を背負って歩いたとされる道を巡礼者が行進する[ヴィアドロローサ]に同行しました。細い道いっぱいに巡礼者やら観光客がゾロゾロと続き、いくつかのポイントの前で説明やお祈りしながらキリストのお墓のある教会まで行くというものでした。神父さんと見分けがつかない巡礼者と観光客でたくさんの人がいました。
旧市街の道は狭いし、ムスリム地区を通るのでしょうがないのかもしれませんが、ムスリムの人たちが巡礼の行列を遮って無理やり荷物を運んだり車で通過したりしてました。毎週やってんだから少しは気を使って避ければいいのに、嫌がらせなのかなとも思いました。揉め事が無くならないわけです。
教会につくと巡礼者の人たちが真剣にお祈りをしてました。こういうのを見ていると僕らのようなお気楽観光客の来るべきところではないのかな、と肩身が狭くなりました。
キリスト巡礼
イスラムの方は岩のドームに入れないのでイマイチよく分からなかったのですが、旧市街で商売やっているしつこい連中が大体ムスリムだということが分かりました。それだけでお腹いっぱいになった感じでした。ちなみにムスリムの土産物屋ではユダヤ人が頭にかぶる小さい帽子が売られてたりしました。いいのでしょうか?
イスラム寺院
ゴチャゴチャして不思議なところでしたが、町中にマシンガンを持ってウロついてるイスラエル兵士がたくさんいるので、物騒なとこには変わりないんだなぁと思いました。
世界的に問題を抱えてる地域なので、この現場に来れば少しは平和というものについて考えるのだろうかと思ってましたが、めんどくさい入国や観光客目当ての擦り切れた人間、いい加減な警備を見てたらなんとも言えなくなりました。
生きてる間に一度と、まじめに巡礼に来てる人達もいるのでしょうが、僕らはあまり居心地が良くなかったので、4泊の予定を3泊で切り上げさっさと去りました。

《マサヒロ》

■大きな壁とマシンガン持って町をうろつく兵士

軍事体制が厳重なイスラエルでは、マシンガンを持って町をうろつく兵士がたくさんいます。イスラエルは男性3年、女性約2年間の徴兵制度があるそうで、その徴兵された兵士なのか、歩いていると「Hello!」と手を振られたり、タバコくわえた若い兵士に話しかけられたりします。マシンガン片手に持った兵士がフレンドリーに話しかけてくるなんて初めてです。やっぱここはラエリー祖国。
しかもマシンガンを持たされた兵士は、兵役中どこへ行くにもマシンガンを持ち歩かなくてはならないらしく、私服姿でマシンガンを持った人もウロウロしています。

兵士の数が尋常じゃなく多かったのはベツレヘム(パレスチナ自治区)で、20Mくらいの間隔で兵士が立ち、上を見上げれば建物の上でも銃を持った兵士がいました。特にキリストの生誕教会の周りは兵隊だらけ。キリストの生誕教会は巡礼者と観光客で賑わっているのですが、イスラエル兵士とパレスチナ兵士の厳重な警備の様子はもはや気味が悪かったです。

厳重な警備で治安は維持されているそうですが、やっぱりもめている国なんだなぁと実感しました。町中が兵隊だらけというのは、気分が良いものではありません。

これまでの旅は過去に起こった悲劇の場所を訪れていましたが、ここは現在続行中の国際問題。 たくさんの兵士と大きな壁などを前にして、宗教や民族の難しさを実感しました。


旅前は何でも信じちゃうお嬢ちゃんでしたが、旅に出て『信じない心プライスレス』『信ずるものは騙される』と思うようになった旅スレ者の私には、知れば知るほど理解できないことばかりです。
それに現在はパレスチナ人がユダヤ人によって追いやられているけれど、かつてはその逆。結局同じようなことを何度も繰り返しているだけで、何も変わっていないようにも思えます。
パレスチナ問題早期解決が望まれるとよく言うけれど、その解決とは結局なにがどのようになったら解決なのか? やはりここは何もかもが深い。

ただ、例えば突然日本が他国に「ここは本来我々の歴史における聖地だ。約束の地だ。日本人は出て行け」とか言われて侵略され、自由に住むことができなくなったらと考えると、私たちからしたら「大昔の神話を持ち出して、何わけ分からないこと言ってんだよ!!」と感じですよね。でもここでは1000年以上聖地で揉めているんだから、本気の宗教は恐ろしさまで感じます。
拝啓、ジョン・レノン
あなたがこの世から去りずいぶん経ちますが
まだまだ世界は暴力にあふれ平和ではありません
という歌詞が何度も頭の中で流れました。

《アユミ》
ホテル情報
交通情報
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ポイント
masa テンション
★★☆☆☆
面倒くさい国だったなぁ。
ayumi テンション
★☆☆☆☆
宗教は苦手です。
【治安】問題の多い国だけれど、観光客は普通に観光できる。兵士が多い。
【物価】他の中東諸国に比べて倍以上する。安宿は1人1000円くらいするのに大したところがない。汚い。
【交通】アンマンからエルサレムまでなんだかんだ交通費がかさみお金がかかる。アンマンのホテルからエルサレムまで入国手続きに時間がかかり7時間くらいした。
エルサレム⇔ベツレヘムは20分くらい。ダマスカス門近くのバスターミナルからNO.21に乗る。帰りにパスポートチェックがあったのでパスポート必須。 【食】物価が高いだけで、アラブ諸国と内容は変わらない。シリアで50円で食べていたファラフェルがイスラエルでは150円。外食は高いので自炊生活。インスタントラーメン6つセットで5NISで売っているのでラーメンばっか食べました。
メモ
【お金のこと】
イスラエルの国境でお金を両替するよりも、アンマンでいくらか両替した方がレートが良い。
それと町中のATMは、旧市街の引き出し限度額は400NISで、新市街[Jaffa通りからシオン広場へ入った辺りにたくさんある]では引き出し限度額が1000NIS。旧市街ではCITYBANKが使えなかったけれど、新市街は使えた。
また新市街のATMでドルキャッシュが下ろせる。ドル補充したい人は新市街へ。

【アンマン⇔ヨルダン国境】
3,4人いるなら、アンマンのダウンタウン⇔ヨルダン国境までタクシーで行ったほうがラク。20JD。
ヨルダン国境→ダウンタウンへ戻るときは、国境の門を出たところの方が安いタクシーが見つかる。
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