夫婦で旅をする人が多いですけど、どうして結婚した後に旅に出たのですか?

「どうしてわざわざ結婚した後に旅に出るの?」と何度か友人や上司に聞かれました。私達の場合、夫婦の方が旅中や帰国後の苦労や責任など運命共同体のような気がしたし、四六時中一緒にいる人が『他人』なのは嫌だという気持ちがあったからです。役所関係の手続きや海外旅行保険も夫婦でまとめて処理できますしね。これは人それぞれですが、夫婦長期旅行者は日本人にとても多い傾向でした。

ルートはどのように決めましたか?

当初は一筆書きのようなルートに憧れ、陸路中心で西回りに旅をする予定だったのですが、暴動や震災で東回りにしました。大体こんな感じで回れたらいいなぁ、程度しか考えていなかったのですが、「きれいなルート」案を止めた旅の途中からはベストシーズンを考慮してルート設定することが多かったです。
実際のところ、ベストシーズンに訪れることができると旅の満足度が全然違います。東南アジアは乾季だったのでスコールが降らず、今回の旅でメインだった南米はバッチリオンシーズンを楽しめました。ヨーロッパもサマーバケーションに入る直前の良い時期に回れたし、インド・ネパールもベストシーズンだったので涼しくて快適でした。
こんな感じで、各地のベストシーズンを考慮したルート設定や、一番行きたい場所にベストシーズンで行けるようなルート設定をオススメします。

世界一周券で旅をするか、自分達でチケットを買いながら旅をするか迷っています。

私達もネットや海外の旅行会社で航空券を買ったことがなかったので、出発前はかなり悩みました。結果的に超自由旅行志向と2年くらい旅をすると決めたので世界一周券は利用しませんでしたが、中には2年間の予定で1年目は世界一周券を利用し、2年目は貯まったマイルを活用して旅を続けるという人にも会いました。また、世界一周目に自由な旅をして、2周目に世界一周券を利用している人もいました。考え方と使い方によっては利用価値が高いと思いますが、海外で航空券を購入するのは結構簡単です。

旅中の便利グッズは何ですか?

旅中に良く使ったもの
・洗濯物用ヒモ、洗濯バサミ、洗濯板 
旅中は手洗い洗濯が多かったので洗濯グッズはかなり使いました。友人は小さな洗濯板を持っていてすごく便利そうでした。
・防水カメラ 
途中ネットで購入し、リマへ郵送してもらいました。カメラが壊れやすい砂浜や砂漠でも使えるし、海や川でも大活躍。水掛祭りでも使えます。サブカメラとして活用していました。
・カメラの三脚
夜景をとることが多かったので途中購入しました。お陰で夜景もたくさん撮れました。
・アニメ、ドラマ、映画、音楽
移動しているときは長時間暇なので、ドラマや映画やアニメをipodサイズに変換してバスでよく観ました。音楽も聴くことが多いのでたくさんあると良いです。
・セーフティパック
臆病者の私は、部屋に荷物を置いていく時も移動する時もバックパックにセーフティパック(ステンレスの網)をつけていました。外出中に泥棒に遭うという人も結構いたので、気分的にもセーフティパックをしていて安心でした。ただ、見た目が格好悪い。
・プラスチック製の薄いまな板
部屋でサンドウィッチを作ったりフルーツを切るときに活躍。100円ショップで買いました。

どんな靴にしたら良いでしょう。

マサはトレッキングシューズ、私は旅前にメレルのカメレオンを購入しました。たくさん歩くので底が厚い方が疲れないし、町中も歩けるような靴だったので良かったです。暑い国ではお互いアウトドアサンダルを履き、シャワーやビーチ用にビーチサンダルを一つ持っていました。更にヨーロッパ用にと南米でスニーカーとペタンコ靴をそれぞれ購入し、私達は靴だけでとても荷物が多かったです…。
サンダルを履いていることがとても多かったので、靴はとてもかさばります。できるだけコンパクトで高機能の靴をオススメします。

世界中のインターネット環境はどうでしたか?

この質問が特に多かったのですが、全然心配ございません。私達が旅をした2007−2009年はどんな場所でもネット環境はあり、世界中ネットカフェだらけでした。また、外国人が多く集まるエリアには大抵WIFIカフェがあります。インドでWIFIカフェはあまり見かけませんでしたが、PCを持っていくとLANケーブルとつなげてくれたので意外と快適にネットができました。
ただ、日本のように早くはないです。キューバとアフリカは特に遅くて大変でした。また、WIFIカフェで何人もネットをやっているときはYahoo!のトップページさえも表示されなかったり、写真のアップロードが思うようにできなかったことも何度もありました。
勝手にWIFIがつなげられたときもありましたが、大抵はIDとパスワードが必要だったので、店員に聞いて教えてもらったり、1時間いくらと決まっていました。

お土産はどれくらい買いましたか?

物欲主義の私達はお土産も旅の一部になっていました。
いろいろ買った国はベトナム、ラオス、メキシコ、グアテマラ、ペルー、ボリビア、ケニア、トルコ、ネパールで、他の国でもいろいろ買っては日本に送っていました。
お土産に30万円くらいは使いました。
グアテマラの味のある刺繍やメキシコの明るい色彩の雑貨は素敵でした。また趣のある南米雑貨もはまったし、最後に買いまくったネパール雑貨も可愛かったなぁ…。というわけで、物欲主義の人は買い物も是非楽しんでください。我慢はもったいないです。
私達はむしろもっと買えばよかったと思っています。

アフリカは行く価値がありますか?

アフリカの観光スポットはとても少ないです。おまけに治安がよくないので夜はあまり出歩けないし、南部アフリカは意外と物価が高いです。見所が少ない上に美味しい料理もないし、移動ばかりだし、ゆっくりのんびり生活するならアフリカじゃなくて良いと思います。なので個人的には期間と予算があまりない人は、アフリカに無理に行くよりも南米やアジアで楽しんだ方が良いのではと思います。
ただ、愛嬌たっぷりウザさもたっぷりの黒人とのやり取りや、アフリカ独特の大自然を堪能したい人には思い切り楽しめます。私達は短い期間でしたが、アフリカに飛んで本当に良かったです。サファリもレンタカー旅行も最高の思い出になりました。でももう改めて行くことはないと思います。

旅に出てケンカは増えましたか?どんなケンカが多かったですか?

旅中に夫婦やカップルに会うと、必ずこの話になりました。もちろん四六時中一緒にいるので、ケンカはものすごく増えました。帰国した現在は何であんなことでケンカしたっけ?とあまり思い出せませんが、重い荷物を背負いお腹を空かせながら宿探しをしたときや、500円くらいのものを買う、買わないで言い合ったりとか、宿が汚くて不快だったときとか、この国は行く、行きたくないだとか、いろいろケンカしました。日本では全然ケンカをしなかった私達だったけれど、きっとあの時は日々慣れない土地で旅に一生懸命だったということだと思っています。
というか、帰国したらなんでケンカしたのか本当に忘れました。

帰国してから社会復帰までの道のりを教えてください。

私達が旅に出発する直前の2007年10月が景気の山だったそうです。旅中は円高の恩恵にあやかっていましたが、『不況になる』ということを全く想定していなかった私達は、海外で日本のニュースをネットで見ても『帰国したら不況の中での社会復帰』を実感できずにいました。

さて帰国して年明けと共に就活開始。
がしかし、2010年の3月が景気の底だったそうで、景気の山を最後に日本社会から離れた私達は、そのとき初めて日本の不況を実感するのでありました。
「こりゃ…えらいこっちゃ。」
しかしながら、帰国後のリスクも承知の旅。
私達の場合、コネもなければ起業するほどの勇気も資金もないので、地道に就活をしました。
そして引越しをして2年半ぶりに定住生活を開始。
まずはマサが仕事を始め、少しずつ少しずつ元の生活を取り戻しました。なんだかんだ落ち着いたのは帰国して7ヶ月くらい経ってからで、帰国直後はコンビニのおにぎりさえも高く感じていましたが、この頃になるとさすがに日本の物価感覚に戻り、むしろ旅をしていたときの家計簿を見ると「1泊800円なんて安すぎ!!1食40円のカレーってすごい!」と旅の生活が夢のようになっていました。
そんなわけで時間はかかりましたが無事に旅を卒業して、ごく普通のサラリーマンに戻りました。

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